鷹の爪に学ぶ粉飾決算の見抜き方。
今日の日経の記事にディー・エル・イーの課徴金の話がでていましたね。
ディーエルイーが粉飾を行った理由として第三者委員会の報告書によると、マザーズ上場後の利益目標達成のため、また東証一部への変更目標があったからのようです。
粉飾を見抜くのはなかなか難しいですが、みるべきポイントはあります。
簡単に説明すると、会社が粉飾するポイント(利益を調整する手口)は、①売上の架空計上、②仕入債務の過少計上、③棚卸資産の架空計上が多いです。
これらについて誰でもできる、有効な手段はそれぞれについて回転期間分析を行うことです。
細かい計算方法はここには書きませんが、検索すればすぐに出てきますので、気になる会社があれば計算してみて下さい。
①売上の架空計上をした場合同様に売掛金も増えるため、売掛金が滞留します。
そのため、売掛金の回転期間を計算して過去の回転期間と比較すると売掛金の回転期間は長くなっているはずです。
②仕入債務の過少計上は、費用の計上をあとにずらすして計上する手法です。
これもその分にかかる買掛金が簿外負債となりますので、買掛金の回転期間を計算して、過去の数値と比較すると、回転期間が通常より短くなっているはずです。
③棚卸資産は架空計上すると、その分棚卸資産が増えて、売上原価が減ります。
ただし、棚卸資産が滞留していくので、これについても回転期間を過去と比較すると回転期間が長くなっているはずです。
この3つのポイントを企業の有価証券報告書から自分で計算してみるだけで、変な動きがあれば違和感に気づけるはずです。
また、貸借対照表や損益計算書は、お化粧しやすいですが、キャッシュフロー計算書はお金の動きを追っているためごまかしにくいです。
そのため、損益計算書の営業利益とキャッシュフロー計算書の営業活動によるキャッシュフローの小計の金額に大きな差異があればなんでこんなに差異があるのかという点は気にしてみるといいです。
もちろん、損益計算書はお金の動きを表していないので、金額が一致するものではないですが、差異が大きければその理由を分析することで、怪しい動きを察知することはできます。
まとめると、数字をごまかすとどこかで齟齬がでます。
その齟齬に納得のいく説明が見いだせなければ危ない可能性があります。
そのため、会計数値の分析能力を磨いておくと、何かと役にたつかもしれません。
それでは、また。